二次創作小説「水平線の、その先へ」

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あとがき・6

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 意外に苦労しそうなのが陽向かな。まず執行委員会に復帰したことで、空の活動からは自然と距離を置くでしょう。湖景が自立すれば少しずつ離れるでしょうし、お母様への複雑な思いは埋めきれなさそうです。優秀ですが生真面目で、周囲との距離をとりにくい方なので、進学から就職までは順調ですが、人間関係で要らぬ苦労と悩みを背負いこむかもしれません。大都会のオフィス街でため息をつきながら毎晩机に向かう姿は、中央委員会の時とそれほど変わらないでしょう。

 たぶん騙されやすいキャラなので、変な方向に走りそうになったら冷静な妹ちゃんに「やめた方がいいよ」と止めてもらう場面も。やさぐれないといいけど。個人的にはマーリャ以上にどストライクな人なので、社会的にも家庭的にも幸せになってほしいと願います。

 主人公の平山君も空への動機は「巻き込まれ」なので、それほど空に執着しないように思います。浪人しながら大学を卒業し、結局マルチな雑用係の会社員でしょうか。何事もソツなくこなし便利屋として扱われる割に欲がなく、出世競争に乗り遅れる要領の悪い奴になりそうです。社会に竿を指して抵抗するような生き方はせず、周りを助けてばかりなのに楽しめる稀有な才能の持ち主でしょう。周囲が心配しても本人が現在位置に満足してしまうのが、悪い癖かもしれません。

 本作ではエンディングっぽくしていますが、高校時代の未来は不確定です(不確定=無限の未来がテーマでもあるので)。意外に社会人数年後にばったり再会した陽向と意気投合して、うまくやっていくかもしれません。でも誰がパートナーになっても尻に敷かれる家庭しか想像できない……ハーレム系主人公にありがちな性格設定のせいですが。ごめんよ空太。

 

 そんな風にみんなの将来を見させてもらって、私自身も本作品の世界から離れる時間が来たようです。ただ物書きはこういう設定を空想してしまうと、その世界をベースに新しい物語を紡ぎたくなるんだよなあ……。やっぱり冒頭は、傷心の陽向が東京から帰ってくる場面だよな。うん、万一ですが短い作品を書くかもしれません。その時はこちらのブログで紹介をすることにしますが、しばらく仕事も忙しいので、当面はここで締めとさせていただきます。