二次創作小説「水平線の、その先へ」

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あとがき・2

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 前半はほぼゲーム通りの展開でしたが、後半は構成を大きく変更しました。原作の後半はシナリオが完全に独立し整合性もなかったのに対し、沙夜子・湖景・朋夏ルートを並行展開させたのも理由ですが、原作で弱かったシナリオを補強するには大きく手を入れるしかなかった事情もあります。結果的に朋夏は小改造、湖景は中改造、沙夜子は大改造になりました。ゲームをプレイしたのも過去になり、もはや原作と創作部分の境界が曖昧になっていますが、思いつく重要な相違点を改めて触れておきます。記憶違いがあれば、ご容赦ください。

 朋夏がトラウマを克服する過程は、ほぼ原作通りと思います。ただ最後の無視界飛行の部分をどこまでトレースしたのか、あるいは創作が大半だったのかは、よく覚えていません(なお作者が曖昧でも原作を覚えている方がいると思うので、この小説全般を創作のネタ元にするのは危険です)。とはいえ朋夏らしく単純で一直線で爽快な脚本で、ネット評も朋夏シナリオは高評価でした。

 湖景は原作で不在のお母様を登場させました。原作は湖景と陽向の家庭環境には、あまり触れていません。内浜の町工場云々の設定や、そこから難題を突破する部分は創作です。原作の陽向は病気の妹の心配に意識が向いていますが、家庭や母親への複雑な気持ちは物語の中で弾けるのが自然と考えて、後半に加えています。湖景は二次元定番の妹的キャラですが、本作品は弱さと芯の強さの二面性を強調する脚本になりました。最後の解決は、もう一山あってもよかったなあと思います。

 沙夜子は父親の支配からの脱却というテーマと重要な台詞を残し、背景設定はほぼフル換装しました。厳しい家の縛りをお嬢様キャラが抜ける設定も二次元の王道なのですが、個人的には原作でもう少し深みを持たせてほしかった部分です。原作では父親の存在には触れますが直接登場せず、派生する主人公の面倒くさい過去設定や、教官の過去の事件も、ほぼ完全に創作です。本作の前半は陽向がメイン、後半は沙夜子を軸に話が進んでいます。