二次創作小説「水平線の、その先へ」

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【閑話休題・給電着陸3】

 前章最後に3章で「飛行機作りに入ります」と書きました。あれウソでした。改めて読んでみたら湖景ちゃんが部品を並べただけで、まったく組み立てておりません。なんてこったい。伏してお詫び申し上げます。しかしここまでペースが遅いとは。実に先が思いやられます。

 さて、この章から航空部長の花見君が登場しました。原作の花見(マーリャ)を改変した経緯について、少しご説明しておきます。

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 きっかけは、やはり個別ルートのカットです。マーリャは他の4本の個別ルートとは異質で全体で整合させるのが難しいラストでした。そもそも原作は物語後半が完全に個別ルートで分岐しており、複数ルートを並行で走らせ物語を整合させるのに苦労していたという事情もあります。

 しかしライバル部長の存在は前半からかなり重要で、割愛できません。他のメンバーとどう絡めるかを小説上の演出から検討し、男性に変更しました。

 恋愛系ゲームはどうしても人物の性が偏りますが、物語は同性でこそ成り立つ会話やわかりあえる内面、引き立つ展開も多いものです。恋愛系は「主人公の親友」がその役回りを担い、本作では上村になりますが、彼に原作とは少し別の役割を与えたため、もう一工夫が必要になりました。それなら性格も一から作り直し、原作のマーリャ色を消した方が本作では上手に動いてくれるのでは、と期待しました。また本作では恋愛は二の次で、各キャラの成長物語に力点を置いてますので、女性が1人減っても問題はありませんでした。

 結論から言うと、花見君は筆者の想定以上に主人公や癖の強い女性陣の間をうまく立ち回り、物語に優しさと緊張感を与えてくれました。原作の少々キツく理知的なマーリャは筆者のホームランボールですが、この小説舞台の爽やかな花見君も私は気に入っています。とはいえ原作との違いで違和感を感じるなら、いつでもブラウザを閉じてください。

 4章は原作通り人間関係のドラスティックな変化が現れ、各キャラが個性を発揮していきます。それと千鳥水面ちゃんが登場します。高校生たちのひと夏の奮闘を、のんびり応援していただければ幸いです。